長持ちしやすい虫よけ剤が登場しそうだ。厚生労働省は、蚊やダニなどの害虫対策として、有効成分の濃度を高めた虫よけ剤の新製品の審査手続きを迅速化することを決め、都道府県を通じて企業に通知した。
現在販売されている商品は、主な虫よけ成分である「ディート」の濃度は12%以下、「イカリジン」は5%以下。濃度が高まれば効果が長持ちしやすいため、厚労省は海外の研究データをみて安全性を考慮し、ディートで30%、イカリジンで15%までの製品について、通常で半年ほどかかる審査を3カ月以下に短縮する。7月1~20日に申請されれば、9月中に承認するとしている。
中南米で流行するジカウイルス感染症(ジカ熱)やデング熱の原因ウイルスは蚊が媒介するほか、西日本を中心に報告が相次ぐ重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は野外のマダニがウイルスを運ぶ。効果が長持ちする虫よけ剤は消費者のニーズもあり、厚労省は企業に新製品の開発と販売を促す。(竹野内崇宏)