東京都が検討する小笠原の空港建設計画について、丸川珠代環境相は28日の閣議後会見で「建設に協力していく」と述べた。小笠原諸島は多くが国立公園やユネスコの世界自然遺産に指定されており、環境省は建設場所や規模次第で、埋め立て許可や都による環境影響評価への助言など計画に関わる立場にある。
丸川氏は会見で、小笠原の地元に急患発生などを念頭にした「いのちを守るために空港が欲しい」との声があることを紹介。空港建設に理解を示した。その上で、「環境の保全との両立する道が探れないか」とも述べ、小笠原固有の生態系を守る姿勢も強調した。
空港建設は現在、環境保護団体の反対や建設費の膨張などで進んでいない。旧環境庁時代には、計画に反対したこともある環境省に対し、自民党幹部が昨年12月、不快感を表明。その直後、丸川氏は「具体的な案が出てきたところで、法律に従って対応することが必要」などと述べ、計画への態度を明らかにしていなかった。(小坪遊)