対談の前に握手する囲碁の井山裕太名人(右)と将棋の佐藤天彦名人=朝日新聞東京本社、山本和生撮影 史上初の七大タイトル独占を達成した囲碁の井山裕太名人(27)と、16年ぶりに20代で名人になった将棋の佐藤天彦名人(28)。棋士の記憶力は抜群と言われるが、実際のところどれぐらいすごいのか。棋界をリードする両名人に「記憶力クイズ」に挑んでもらった。 井山名人・佐藤名人のサイン入りトランプをプレゼント クイズは、局面を見ただけで、自分がいつ誰と対戦した時の局面なのかを当てるというもの。井山名人と佐藤名人が互いに見せ合う形式で進めた。井山名人には過去の名人戦七番勝負などの途中図、佐藤名人には名人戦七番勝負と名人戦の「予選」に当たる順位戦の投了図を出題した。 棋士になって井山名人は約750局、佐藤名人は約400局戦っている。思い出す際に他の対局の記憶と混同しそうに思えるが、2人はスラスラと正解を答えていく。佐藤名人は1問目で「これは稲葉君(陽八段)とのC級2組の順位戦です。昇級争いの直接対決でした」と、対局時の状況についても詳細に説明。井山名人は、小学2年生の時に出た子どもの全国大会の決勝戦の局面を難なく言い当てた。約20年前の自分の囲碁を見た井山名人は「メチャクチャ弱かったです」。結局、2人とも5問全て正解。共にホッとした様子だった。 棋士の記憶力は囲碁や将棋以外にも発揮されるのか。少々ムチャぶりだが、両者に「神経衰弱」でも対戦してもらった。 序盤、井山名人が先制するが、佐藤名人が追いつく。双方、「ひどい」「全然思い出せない」などとぼやきを連発し、記憶違いで同じ札を獲得するチャンスを逃す場面が何度も見られた。結果は、全ての手札を取り切る前に「引き分け」に。井山名人は「当てずっぽうも多かったです」、佐藤名人は「あまりにも覚えられなくて、愕然(がくぜん)としました」と振り返った。囲碁や将棋と他のゲームでは、少々勝手が違うようだった。(村瀬信也) |
囲碁・将棋名人、驚異の記憶力 小学生時代の局面も的中
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