稲葉陽八段(左)に敗れ、感想戦をする森内俊之九段=26日午前0時54分、東京都渋谷区、恵原弘太郎撮影
「将棋界の一番長い日」と呼ばれる第75期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の最終9回戦が25日に行われ、今年も熱戦が深夜まで続いた。今期の降級枠は一つ。最後まで残留をかけて争ったのは、共に元名人で「羽生世代」の2人だった。
稲葉八段、佐藤名人への挑戦権 将棋A級順位戦
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26日午前0時26分。稲葉陽(あきら)八段(28)と戦っていた森内俊之九段(46)が投了を告げた。その23分前、競争相手の佐藤康光九段(47)が勝ち名乗りをあげたため、永世名人の資格を持つ森内九段のA級陥落が決まった。来期は一つ下のB級1組で再起を目指す。
対局直後、コメントを求められた森内九段はしばしの沈黙の後、「ここ2、3期、内容も結果も良くなかった。仕方ないと思っている。新たな気持ちで頑張りたい」と静かな口調で語った。
森内九段と佐藤九段は羽生善治三冠(46)と同世代。若手の頃には、3人と兄貴分の島朗(しまあきら)九段(54)による研究会「島研」で腕を磨きあった間柄だ。
タイトル獲得は、森内九段が1…