日米通算200勝を達成し、観客の声援に応える広島の黒田=23日午後、広島市のマツダスタジアム、上田潤撮影
プロ野球広島の黒田博樹投手(41)が23日、日米通算200勝を達成した。個人記録にはこだわりはない。満身創痍(まんしんそうい)の体を突き動かすのは、広島で達したことのない頂点への渇望だ。25年ぶりの優勝へ、リーグを独走する広島。その投手陣の中心に黒田がいる。
広島・黒田、日米通算200勝 野茂以来2人目
「もう1年、このメンバーで戦いたい」。昨年12月の契約更改交渉の席で、黒田はこう切り出した。「優勝するために、自分の経験を伝えたい」。鈴木清明球団本部長(62)から「遠慮するな」と背中を押された。昨季はリーグの最終戦で敗れ、クライマックスシリーズ進出を逃した。
大リーグ時代に頭部に打球が直撃した後遺症で、首にしびれが残る。右肩も疲労の蓄積できしむ。患部に痛み止めの注射を打ち、清めの塩を塗り込み戦う日々。近年、毎年オフに思う。「もう、こんなしんどいことはしたくない」。引退の二文字が頭をよぎる。それでも、悩み抜いた末、現役続行を決断した。「同じ選手の立場だからできることがある」
2008年に大リーグへ移籍し…