「マッキントッシュ ロンドン」の売り場=三陽商会提供
アパレル大手の三陽商会は29日、2016年12月期の業績予想を修正し、最終的なもうけである純損益を2月時点の3億円の黒字から95億円の赤字に引き下げた。英ブランド「バーバリー」の国内ライセンス契約が昨夏に切れてからの販売が不振で、リストラ費用などを計上するという。
売上高は700億円、本業のもうけを示す営業損益は68億円の赤字を見込む。
同社はバーバリーの後継ブランドとして「マッキントッシュ ロンドン」などを投入したが苦戦。1~6月期の後継ブランドの売上高の合計は、計画を18%下回った。業績の立て直しのため、約250人の早期退職者を募り、この費用に約30億円の特別損失を計上。利益が出ることを前提に税金の前払い分を資産に計上する「繰り延べ税金資産」も取り崩す。
同社は年内に4ブランド、来年以降もさらに5ブランドをやめると発表した。また14~18年の中期経営計画を取り下げ、年内に新しい計画をつくるという。同日の決算会見で杉浦昌彦社長は「(後継ブランドの見通しが)甘かったところがある。今後は売上高よりも利益を重視していかないといけない。M&Aも視野に入れて新しい経営計画を考える」と話した。
同日発表した16年6月中間決算は、売上高が前年同期比38・3%減の341億円、営業損益は58億円の赤字(前年同期は77億円の黒字)だった。純損益は54億円の赤字(同50億円の黒字)だった。(栗林史子)