トルコ軍が全面支援するシリアの反体制派「自由シリア軍」は23日、過激派組織「イスラム国」(IS)が支配してきたシリア北部バーブを「完全に制圧した」と発表した。トルコ国境の約30キロ南に位置するバーブは、ISのシリア北部の最大拠点。これでシリア北部のIS支配地域はほぼ制圧されたことになる。
反体制派によると、自由シリア軍は現在、ISがバーブ市内に敷設した地雷や爆発物の除去を進めているという。シリアとイラクで劣勢が続くISにとってバーブを失ったことは大打撃で、ISがトルコで報復テロを行う恐れもある。
バーブをめぐっては、アサド政権軍も昨年12月に完全制圧したシリア第2の都市アレッポから部隊を進めていた。政権軍と反体制派の衝突を避けるため、政権の後ろ盾のロシアと、トルコが調整が行っているとみられる。(イスタンブール=春日芳晃)