2016年4~6月期決算を発表する東芝の平田政善代表執行役専務=東京都千代田区
経営再建中の東芝が12日発表した2016年4~6月期決算は、本業のもうけを示す営業損益が200億円の黒字(前年同期は109億円の赤字)だった。黒字は2年ぶり。不正会計問題を受けたリストラ効果で業績は持ち直しつつあるが、厳しい財務体質の改善など課題は残る。
売上高は前年同期より10・5%減の1兆2074億円。不採算だった一部の半導体や白物家電事業から撤退し、競争が激しいパソコンやテレビの販売台数を大幅に絞り込んだためだ。
営業損益が黒字化したのは、人員削減や社員の賞与減額などで人件費を減らしたのが大きい。最近の円高の逆風や、販売価格が下がった主力の半導体メモリーの減益を補った。純損益は、白物家電事業の売却などにより798億円の黒字(前年同期は122億円の赤字)と大幅に改善した。
ただ、財務の健全性を示す株主資本比率は7・0%と、依然として「厳しいレベル」(平田政善代表執行役専務)。東芝株は東証などから「特設注意市場銘柄」に指定され、市場からの資金調達は厳しい状況だ。来月にも社内体制の改善策を提出し、指定解除の審査を受ける予定だ。(平林大輔)