中国の国家統計局が12日発表した7月の主要経済指標は、鉱工業生産の伸びが前月より0・2ポイント鈍化して前年比6・0%増となるなど、軒並み減速を示した。景気の先行きに不透明感が高まる中で、企業が投資や増産に及び腰になっていることが示されている。
鈍化が特に目立ったのが工場や建物などへの固定資産投資で、1~7月の累計で前年比8・1%増と、前月までの累計から0・9ポイント減速。2000年以降で最も低い水準の伸びとなっていた。このうち、民間企業による投資は前月までの累計より0・7ポイント減速して2・1%増にとどまった。
中国政府は民間投資が急に鈍っていることを深刻に受け止め、李克強(リーコーチアン)首相らが繰り返し対策を指示している。ただ、銀行がリスクの高い融資を出し渋っていることもあり、企業の投資意欲は戻っていない。
今後の成長を支えると期待される消費分野では、小売り売上高が前年同月比10・2%増と伸びたが、6月からは0・4ポイント鈍化した。製造業では雇用を絞る動きも目立ち、今後の消費に影響する可能性がある。
減速が目立ったことについて国家統計局は「7月は洪水など自然災害の影響もあった」としている。(北京=斎藤徳彦)