世界各地の人種からなる約6万人の遺伝子配列の解析結果を、米英などの国際共同研究チームが18日付の英科学誌ネイチャーに発表する。これほど大規模なデータの比較は初めて。結果はデータベースとして公開され、医学や人類学の研究に役立てられる。
約30億対の塩基からなる人のゲノム(全遺伝情報)のうち、たんぱく質の設計図に当たる遺伝子の塩基配列部分を解析。1万人に1人以下にしか見られないまれな変異を含む約740万個の変異が見つかった。たんぱく質の働きが失われ、病気の原因になる変異がある一方、遺伝子の働きに影響しない変異もあった。
平均すると8塩基当たりに変異が一つあることになり、人類の遺伝的多様性が裏付けられた格好だ。ただ、変異が少ない遺伝子もあり、変異があると健康影響が大きい重要な遺伝子とみられるという。