土砂崩れで通行止めになった市道=7日午前9時29分、群馬県渋川市
千島近海にある低気圧から延びる前線の影響で、群馬県内は7日明け方、局地的に大雨に見舞われた。前橋地方気象台は、渋川市や東吾妻町で数年に一度の大雨が降ったとして「記録的短時間大雨情報」を発表した。1時間に約100ミリの雨が降ったとみられる。この影響で、県北部では土砂崩れや床上浸水などの被害があった。
渋川市小野子の市道では竹や木が生い茂っていたのり面が崩れた。のり面の上に住んでいる自営業の男性(78)によると、午前2時ごろ、「『ドドド』という地響きのような、地震のような気持ち悪い音がして、家の前に出ると車庫前の通路がなくなっていた」という。通路は幅約5メートルあったが、半分近くが崩れ落ちていた。
沼田市の県道では、道路西側の山の土砂が崩れ落ち、数カ所にわたって道路をふさいだ。約200メートルにわたって厚さ約50センチの土砂に覆われる場所もあったという。
県危機管理室によると、午前11時現在、土砂崩れや大雨で渋川市や高崎市、沼田市などの県道5カ所で通行止め。沼田市では家屋と物置計2軒が一部損壊し、同市や渋川市などでは床上浸水が4軒、床下浸水が8軒あった。みどり市内では午前5時過ぎから約3時間半、約200軒で停電となった。
JR東日本高崎支社によると、正午現在、上越線渋川―沼田間、吾妻線渋川―中之条間で、沿線の雨量計が基準値を超えているため、始発から運転を見合わせている。