安倍晋三首相と韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は7日、訪問先のラオス・ビエンチャンで会談した。両首脳は、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射を非難し、連携して対応することを確認。慰安婦問題については、昨年末の日韓合意を着実に実施することが重要だとの認識で一致した。
会談は約30分間。安倍首相は冒頭、「日韓合意以降、日韓関係が前向きに進展していることは大変喜ばしい」と述べ、朴大統領も「両国関係の改善で、様々な課題に共同で対応できる土台が広がり、意義深く思う」と応じた。
北朝鮮が5日に中距離弾道ミサイル「ノドン」3発を発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)に落下したことなどについて、首相は「許し難い暴挙。北朝鮮への圧力を強化すべきだ」と強調。朴氏は「北朝鮮が核とミサイルに執着するほど国際的な孤立を深め、自滅を早めることを分からせるべきだ」と語った。
両首脳は慰安婦問題についても議論。昨年末の日韓合意に基づき、韓国政府は元慰安婦の名誉を回復する事業に取り組む「和解・癒やし財団」を7月に設立し、日本政府も財団に10億円を拠出している。
日本側の説明によると、首相はソウルの日本大使館の近くに設置された慰安婦を象徴する「少女像」について言及し、「少女像の問題も含めて合意の着実な実施に向けて努力してほしい」と要請。韓国側の説明によると、朴氏は「財団の事業を通じて被害者の名誉回復が一日も早く行えるよう引き続き協力していきたい」と話した。首相はまた、日本での日中韓首脳会議の年内開催に向けた協力も求めた。(ビエンチャン=相原亮、東岡徹)