教科書検定に関連し、複数の教科書会社が教員らに金品を渡していた問題で、文部科学省は9日、高校教科書の採択への影響について調査結果を公表した。自社の教科書が新規採択された後、問題集などを無料で提供したケースが4社で計183件判明。採択に関わる教員も含まれている可能性があり、同省は「公正性に疑念が生じた」と指摘した。
小中学校教科書も含めた一連の調査は終わり、教科書会社40社でつくる教科書協会は同日、再発防止のための行動規範を松野博一文科相に提出した。
文科省は教材や学校音楽のCDのほか、金銭などの提供を受けた高校教員らについて都道府県教育委員会などを通じて調べた。「採択に不公正な影響はなかった」と結論づけたが、大修館書店、第一学習社、新興出版社啓林館、明治書院の4社は、自社の教科書が新たに採択された後、問題集や教師向けの授業のノウハウ本(1セット1万~3万円)などを提供。文科省は「採択の見返りと取られかねない」としている。
これらを含めて、計6社が北海道(69件)、長野(44件)、神奈川(40件)など40都道府県271校に計約2千万円相当の金品を提供。その多くが大修館で、英語の問題集など約1800万円相当を無料で配っていた。
明治書院はこれまで不適切な行…