ほの暗い天神地下街。当時のままの唐草模様の天井や石畳がそのまま残る地下街通路を大勢の人たちが行き交う。10日に40周年を迎える=7日午後2時28分、福岡市中央区、河合真人撮影
福岡市の天神地下街は、10日で1976年の開業から40年を迎える。極めて実用的な「天神の大動脈」として交通混雑緩和を目的に構想されたが、考え抜かれたコンセプトのもと、時代を先取りしたものが造られた。大規模改装の必要なく40周年を迎えること自体が、ほかの地下街にはない最大の特徴だ。
御影石の壁、床の石畳やれんがも40年前のまま。運営する福岡地下街開発の藤田茂・経営企画課長は「すでに完成されたものを先輩たちが残してくれた。ハードの改装費を抑えられる分、運営のソフト面に注力できる」と話す。「石と鉄とれんが」の古い街という設定のため、汚れや傷も目立たないのだという。
全国の地下街は節目の年に大規模改装するのが通例だ。ドージマ地下センター(大阪市)は50周年の今年7月、天井やトイレに天使を描いたコンセプトを一新し、和の空間として店舗を町屋のように演出する改装をした。今年で30周年の川崎アゼリア(川崎市)は約60億円をかけて店舗部分の再配置や、共用部分、通路の大改装を進めた。
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