バーラウンジで、蔵元の女性(左)らと談笑し地酒を味わう人たち=東京都中央区の日本橋とやま館、池田良撮影
自治体の特産品や観光情報をPRする「アンテナショップ」が進化している。バーラウンジや料亭など飲食に特化したり、野球観戦に力を入れたり――。多彩な店づくりが客足を誘い、出店も加速している。
東京・日本橋。富山県のアンテナショップ「日本橋とやま館」は、県の2号店として6月にオープンした。店内は県特産の立山杉を基調に、地酒を提供するバーラウンジや接待でも使える料亭を備える。金の壁面に囲まれた観光交流サロンにはコンシェルジュが常駐し、伝統工芸品の展示販売もある。
地酒を口にしていた横浜市の会社員清水美紀さん(48)は「オシャレな店でアンテナショップとは思わなかった。富山観光したくなりました」。県首都圏本部の中嶋真梨主任は「内装から店づくりにこだわった」と胸を張る。2015年3月に北陸新幹線が開通し、アンテナショップを起点に首都圏でのPR強化を狙う。
東京・原宿にある新潟県の「表参道・新潟館ネスパス」では6月、「新潟 お米ふしぎ発見!」と題した米づくりを学ぶ教室があった。稲やもみがらのほか、田んぼに生息するオタマジャクシやモロコが展示され、親子連れが参加した。
教室では新潟産コシヒカリのおにぎりが振る舞われ、「おにぎり一つにお米は何粒あるかな」などと、農家の男性が子どもたちに問いかけながら説明。江東区の小学4年、泉沢さくらさん(10)は「はじめて稲に触れた。いつも食べるご飯がこんなに手間がかかるとは。米粒を残さず食べます」と話した。県農産園芸課は「体感してコメどころ新潟を知ってほしい」。
東京・銀座の広島県のアンテナ…