英国や南アフリカ、ブラジルなどで最近、新型コロナウイルスの変異種が相次いで検出されている。衛生分野の関係者の間では、現在のワクチンはこれらの新たな変異種に対する有効性が低く、感染者が増加するだけでなく、ワクチンを接種した人も感染する可能性があるという懸念を示している。
新型コロナウイルスが変異することで、ワクチンの有効性が低くなる可能性について、世界保健機関(WHO)のワクチン研究開発委員会の顧問を務める中国疾病予防管理センターの首席専門家・邵一鳴氏はこのほど、「環球時報」の取材に対して、「本当にワクチンのアップデートが必要なら、中国の不活化ワクチンは約2ヶ月で対応できるだろう。そのプロセスは複雑ではない」との見方を示した。
邵氏は、「ワクチンの同じ発生源のウイルス株に対する有効性は高いものの、異なる発生源のウイルス株に対する有効性は低いというのは正常な現象。全ての病原体のワクチンがそうであると言えるだろう。中国のワクチンメーカーや実験室の研究によると、中国のワクチンが誘導する抗体は、昨年上半期に欧州や南米、米国などで検出された新型コロナウイルス株に対する中和能力に変化はなかった。しかし、最近、英国や南アフリカで検出された新たな変異種に対する中和能力は、異なる程度で低くなっている。これは国外のワクチンも、中国と同じ状況が生じている」と説明した。
そして、「この種の実験室で得られた研究データの差が、ワクチンの有効性が低くなる影響を与えているかどうかについては、現場で応用し検証しなければ分からない。そうした結果の多さは、ワクチンが『無効』か『有効』かといった絶対的な区別ではなく、有効率が変化することを示している」とし、「現有のワクチンがすでに効かなくなったということではなく、一定の範囲内で有効性があるなら、そのワクチンは依然として効果があると言える」と強調した。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年1月27日