「はじめロボット43号」を操縦する坂本元さん(中央)と金増健次さん=9月27日、大阪市西淀川区、細川卓撮影
大阪市内でものづくりに携わる技術者たちが、身長4メートル、体重300キロのアルミ製人型ロボットを作った。「機動戦士ガンダム」のように、胴体内のコックピットに乗り込んで操縦できる。開発責任者で、ロボット製作会社「はじめ研究所」(大阪市西淀川区)を経営する坂本元(はじめ)さん(49)によると、二足歩行のロボットとしては「世界最大級」という。
名付けて「はじめロボット43号」。1号機となる小型二足歩行ロボットの開発を始めてから14年がかかった。頭と両肩にカメラがあり、コックピット内のモニターで、この映像を見ながら操縦する。頭や腕は、手元の小型ロボットを動かすとケーブルを通じて信号が送られ、ロボット本体が同じ動きをする。脚はレバーを操作して動かし、分速4メートルで歩ける。
「ガンダムのような巨大ロボットを造りたい」という夢を持っていた坂本さんと、町工場の経営者ら約10人が意気投合し、2005年にプロジェクトチームを立ち上げた。費用は持ち寄りで、各自が得意分野を担当。休日や仕事後にコツコツとつくり上げた。
関節部分をつくった「吉則工業」の金増健次社長(66)は「苦労したかいがあった。ロボットを通じて子どもたちにものづくりの楽しさを伝えられたら」と話す。今後は、イベントで実演するなどしつつ、改良していく。販売も受け付けており、現品は5千万円、新規製作の場合は8千万円から1億円で相談に応じるという。(細川卓)