中華関連書籍に特化したブックカフェ関帝堂書店では、ブックフェスタ企画として文ストで主人公の大好物とされる「鶏梅茶漬け」が食べられる。11月29日まで=横浜市中区山下町
文豪がモデルの登場人物が戦いを繰り広げる漫画「文豪ストレイドッグス」(文スト)が、中高生を文学の世界にいざなっている。漫画舞台・横浜では、実際の町にも親しんでもらおうという企画も誕生。横浜が「聖地」となる日も近い?
文ストは、探偵事務所に勤める中島敦や太宰治などが「人間失格」「細雪」など作品にちなんだ超能力「異能」を発揮し、難事件を解決していくストーリー。連載されるのはKADOKAWAの男性向け雑誌だが、イケメンぞろいの登場人物が女性に熱い支持を受け、シリーズ累計410万部を売り上げる人気作だ。
ブームの中心は中高生。漫画を機に「本家」文豪の名作に親しんでもらおうという企画が、市立洋光台第二中で6月に開かれた「POPコンテスト」だ。図書室にある文豪の作品を借りて読み、書店にあるような紹介ポップを作成。参加者の中から5人に出版社提供の文ストポスターをプレゼントした。1人で9枚のポップを作った生徒や「中原中也の詩に感動した」生徒など計20枚のポップ効果もあって、参加しなかった生徒にも影響が広がり、貸し出しベスト10のうち6作が文豪の作品となった。
企画した学校司書の井上祥子さんは「女性として登場する泉鏡花は本当は男なんだよ」などと伝えると、「本家」にも興味を持ってもらえると感じる。「同じ日本語でも、現代の中学生には難解。読みやすいものを薦めるなど、これを機に何とか本に引き寄せたい」
舞台が横浜ということで、神奈川近代文学館(横浜市中区)では、作画者で横浜市出身の春河35さんのイラストをポスターや来館者プレゼントにしたところ、「文豪女子」という言葉を生むほど多くのファンが来館。市交通局(045・326・3847)は、文学館や人形の家などを巡るスタンプラリーを昨春から開催する。約2万人が参加した今春の第二弾には、関西や九州から訪れた強者や、祖父母と巡る姿も。今月からテレビアニメが放送されるのに合わせ、31日まで、缶バッジがもらえる第三弾を開催中だ。
「漫画を読んだ小学生が『本家…