地震発生時刻に合わせ、田老の防潮堤で手をつないで犠牲者を追悼する人たち=11日午後2時46分、岩手県宮古市、鬼室黎撮影
6:00 岩手県宮古市 市民ら約1400人が参加して津波避難訓練。大津波警報が鳴り響き、消防団員が河川の水門を閉める。市民は避難所や高台へ。野崎栄子さん(86)は「日ごろの心構えが大事」。
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8:00 岩手県大槌町 当時の町長ら40人が津波の犠牲になった旧役場庁舎前。「みなさんの死を無駄にしない」と平野公三町長が追悼式で述べる。
8:10 宮城県名取市 鎌田秀子さん(67)は、消防団員だった弟の赤間一雄さん(当時55)を亡くした。閖上(ゆりあげ)地区の日和山に設けられた祭壇に手を合わせ、「かえって今になって、悲しみがわいてくるんですね」。
9:48 宮城県女川町 富山県南砺市の宮本正義さん(30)が妻子3人と「慰霊之碑」に手を合わせる。震災があった11年、消防士に。「命に関わる仕事。被災地を自分の目で見ておかなければと、この日に合わせて初めて来ました」
10:29 福島県浪江町 吉田聖子さん(63)が、草がまばらに生える郵便局の跡地で手を合わせる。「悲しさは6年で何も変わってない。でも泣いてたら、娘に怒られちゃうから、強くならないと」。郵便局に勤めていた長女(当時35)を津波で失った。
11:15 宮城県名取市 かさ上げが進む街で墓地もようやく再建された。消防団員だった息子を亡くした鈴木きみさん(95)は孫、ひ孫らと訪れ、「悲しくて、くやしくて言葉にできない」。新しいお墓は七回忌に何とか間に合った。
11:30 宮城県気仙沼市 約180人が亡くなった波路上地区の七回忌法要で、曽祖父を亡くした三浦璃海(りみ)ちゃん(7)が小さな手を合わせた。写真の中の曽祖父は優しそうに見えた。「一緒に遊びたかった」
12:00 熊本県益城町 昨春の熊本地震で神殿や鳥居が倒壊した木山神宮で住民らが黙禱(もくとう)する。「多くの東北の方々に相談しながら復興を進めることができている。心は一つ」と矢田(やだ)吉定(よしさだ)宮司(66)。「がんばろう共に」と書いた幕が掲げられた。
12:06 宮城県山元町 教習生や従業員が津波の犠牲になった常磐(じょうばん)山元自動車学校の跡地。アルバイト従業員だった大久保真希さん(当時27)の両親が、数日前に完成した慰霊碑に花を手向ける。昨年、裁判で学校側と和解が成立。「一段落したけど、娘は行方不明のまま。帰ってきたら最後の区切りになるのかな」
12:15 宮城県東松島市 次女(当時6)を亡くした同県石巻市の会社員、佐々木純さん(37)と妻めぐみさん(37)が、犠牲者を悼む七周忌の合同供養を終えた。夫妻にとっては、3月11日が1年の始まりだという。「法要をしても、気持ちに区切りはない。記憶はあのときのまま」
14:20 東京都江東区 福島県を中心に約840人が避難している国家公務員宿舎「東雲(しののめ)住宅」で追悼行事が始まる。4月には帰還困難区域を除くほぼ全ての避難指示が解除される。南相馬市の三沢宏造さん(74)は「故郷に戻る人、違う所に引っ越す人、都内に残る人とバラバラになるだろうが、固い絆を大事に前を向いて頑張っていきたい」
14:46 岩手県宮古市 田老の防潮堤の上に集まった約500人が手をつないで海を見つめ、津波の犠牲者に思いをはせる。自宅を流され、今は近くの災害公営住宅に住む赤沼弘さん(76)は「明治、昭和、そして6年前と津波の被害に遭ってきた。次に襲ってきても必ず逃げる」。
14:46 東京都千代田区 政府主催の東日本大震災6周年追悼式が国立劇場で開かれる。秋篠宮ご夫妻が出席。
14:46 東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町) 広瀬直己社長ら幹部と社員700人が黙禱(もくとう)。広瀬社長が「廃炉はまだ先が長いが、経験を積み重ね、責任を果たしていきたい」と誓う。石崎芳行・東電福島復興本社代表は「いま、『東電は本当に信頼できるのか』と問われている。信頼される存在になれるよう力を結集しなければならない」と訓示した。
14:46 青森県八戸市 三陸復興国立公園・種差海岸。市民団体「ヒューマンバンドあおもり」による追悼行事で三河文さん(58)は「あの震災以来、お年寄りも、子どもたちもとてもいとおしく感じられるようになった」と話す。約400人が手をつないで海に向かって目を閉じ、鎮魂の祈りを捧げた。
14:46 東京都中央区 銀座の時計塔で知られる「和光」で鐘が鳴り響き、大勢の買い物客らが一斉に立ち止まって目を閉じる。都内の自営業山下由香里さん(34)は「亡くなった方のご冥福を願い、被災された方が少しでも元の生活に近い状態に戻れるように祈りました」。
14:46 神戸市中央区 阪神・淡路大震災の追悼行事が開かれる東遊園地。「3・11」の形にろうそくが並べられ、約100人が黙禱(もくとう)する。あいさつした藤本真一さん(32)は「震災を経験した神戸だからできる活動を通じて、東日本の皆様に寄り添い続けます」。
15:00 宮城県南三陸町 「南三陸志津川さんさん商店街」で鎮魂の祈りを歌で届けるセレモニー。伴奏した東京在住のピアニスト、長谷川芙佐子さん(60)は「まだ見つかっていない住民がいると思うと、涙が止まらなかった」。
15:30 青森市 市民図書館で、地元放送局のアナウンサーらが震災で家族を失った子どもをモデルにした絵本を朗読。高校1年の對馬(つしま)葵さん(16)は「私にできることがあれば被災地を応援したい」。
15:35 千葉県旭市 追悼式が開かれる。夫を亡くした松本祥子さん(77)は「あの時のことはまだ信じられない。気持ちは6年前とあまり変わらない」。同市では津波などで14人が亡くなり、2人が行方不明になっている。
17:45 広島市中区 原爆ドームを望む平和記念公園内。キャンドルの点灯が始まり、約500本でつくる「3・11」の文字が浮かんだ。キャンドルの紙筒には「忘れない」「一日も早い復興を」などのメッセージ。
17:50 山形市 中心街で犠牲者を悼むキャンドルに灯がともされる。この日誕生日を迎えた中学3年の但木千愛(ちなり)さん(15)は福島市からの避難者。「たくさんの友達に支えてもらい、感謝したい。山形で打ち込んだ吹奏楽を福島でも続ける」。高校進学で、福島に戻る。
18:00 東京都千代田区 国会前で反原発を訴える集会が開かれる。「行動を続けることが大事」と中野区の高田幸子さん(64)。チェルノブイリ事故後に一時声を上げた。福島の事故が起き、反対を訴え続けなかったことを悔やんだ。