大型ハリケーン「マシュー」が直撃したカリブ海の島国ハイチでは、死者が900人近くに上った。同じハリケーンに襲われながら死者がなかった隣国キューバに比べ、ハイチでの死者数は際だっており、防災対策の欠如など、人災の面が大きい。
死者数は、ロイター通信がハイチの当局者から聞いた内容を独自に集計した数字だが、今も多くの遺体が放置されたままで、何人が死亡したか正確な数字はつかめないままだ。
ハイチは、西半球の最貧国で、多くの人々がスラム街に住む。米メディアによると、掘っ立て小屋に住み、建物の下敷きになった人も多いという。2010年にハイチを襲った地震で20万人以上が死亡したのも、建物の崩壊によるものが多かった。
今回のハリケーンでも住民への警告が徹底せず、直前まで避難しなかった人が多かったという。自宅から物を盗まれることを嫌がり、避難しなかった人も少なくない。AP通信によると、遺体収容も追いつかず、衛生状態も悪化し、被災後に、18人のコレラ患者が確認されている。
一方、キューバでは住民避難を…