東京都内の約58万6千戸で起きた停電で、東京電力は14日、管内にある高圧の旧式ケーブルの約700カ所で防火シートが未設置だったと発表した。停電の原因とみられる送電線火災があったケーブルも、多くが防火シートで覆われていなかった。2022年度までに約2200カ所で防火シートを取り付ける対策中だったという。
東電、ケーブル35年間交換せず 都内停電、出火元調査
防火シートは合成繊維製で、ケーブル内の漏電による火災を防ぐ。東電によると、今回火災があった埼玉県新座市の地下トンネル内では、ケーブル18本のうち15本に防火シートが巻かれていなかった。シートがなかったことが火災につながった可能性があるという。一方、火災を受けた緊急点検を14日に終え、ほかのケーブルに異常は見当たらなかったという。
また東電は、出火場所近くを走る配管に、アスベストを含む部品が約100個使われていたことを明らかにした。記者会見した担当者は「ゴムに練り込まれているので飛散性はない」と話している。