気温が日を追うごとに下がり、毎朝、ぬくぬくの布団からなかなか抜け出すことができないという人も多いだろう。でも、そんな時に、熱々で、いい香りを漂わせる朝ごはんが近くに並んでいたとしたら、すぐさま布団から起き出すことも厭わないのでは?中国新聞網が報じた。
グルメショートドキュメンタリー「早餐中国(Breakfast of China)」シーズン3の配信がこのほど開始。これまでと同じく、1話数分で、各地域の特色あふれる朝食ショップを紹介している。
まず、熱々のブタのスープを見てみよう。
煮込んだブタの肝臓、心臓、胃袋、肝臓をお碗に入れて、熱湯をかけて温め、そこに刻みネギと酢で味付けをし、白濁スープを入れる。この料理の醍醐味は何といっても豚骨と豚肉を何時間も煮込んで作ったこの白濁スープだ。
次は、海の幸ラーメン。
スペアリブ、ブタの皮、魚の頭、骨を3時間煮込んでスープを作り、子持ちシャコ、ワタリガニなどの海の幸を添える。それら海の幸は、子供の頃から海の近くで育った女性店長が選んだものばかりだ。
河北省河間市に行ったことはないものの、河間の名物であるロバ肉バーガーは聞いたことがあるという人は多いだろう。親子で経営しているこの店では、父親がロバの肉の調理を担当し、息子が「火焼」と呼ばれる小麦粉のバーガー生地を作っている。このサクッとしていて香ばしいロバ肉バーガーを食べるために車を1時間以上走らせて来る人も多いという。
環境によってその環境に適した人が育つという言葉があるように、地域や気候、民俗によっても、様々な朝食文化が形成されている。
同ドキュメンタリーの王聖志監督は、「グルメ系ドキュメンタリーという分野で、本当の意味で勝ち残るには、普通の人々が見逃しがちな細かな点、ちょっとしたシーンを通じて人々の思いや情感を伝えなければならない」と語る。
「早餐中国」のシーズン1と2は合わせて70話あり、シーズン3も既に十数話配信されている。100話という目標は達成間近で、さらに、多くのネットユーザーから「私の故郷の朝食も紹介してほしい」との声が続々と寄せられている。
どこに住んでいても、誰もが故郷の味を懐かしく思うものだ。故郷を離れて暮らしている人が最も懐かしく思うのが、母親が作ったおふくろの味、そして子供の頃から食べ慣れた朝食だ。それを口にし、胃に収めて初めて、身も心もようやく故郷に帰ってきたという気持ちになるものだ。「早餐中国」を見た多くの人が「明日は必ず早起きしよう」と心に決めている。なぜなら、「朝早く起きさえすれば、故郷の味を見つけることができる」からだ。 (編集KN)
「人民網日本語版」2020年11月5日