ロシアのプーチン大統領は19日、ベルリンでメルケル独首相、オランド仏大統領とシリアの内戦を巡って協議した。プーチン氏は、シリア北部アレッポの反体制派を狙ったシリア軍とロシア軍による空爆の一時停止を、終了期限としていた20日午後4時以降も当面継続する考えを表明した。
いつまで空爆を中止するかについて、プーチン氏は記者団に対して「アレッポの武装勢力の活動が激化しない間」と述べ、明言を避けた。協議後メルケル、オランド両氏は2人で記者会見に臨み、オランド氏はアレッポでの空爆は「戦争犯罪だ」と強く非難した。プーチン氏は「テロと戦っている我々の立場を説明した」と述べており、空爆の是非については平行線に終わった。
ロシアのペスコフ大統領報道官によると、プーチン氏は事前にシリアのアサド大統領と電話で意見交換した上で会談に臨んだ。
ロシア国防省は17日、市民の避難のために20日午前8時から8時間空爆を停止すると発表。18日には、予定を早めて同日午前10時から一時停止したと発表していた。
3首脳はシリア問題の協議に先だって、ウクライナのポロシェンコ大統領と共に、親ロ派による支配が続くウクライナ東部の危機について協議した。11月に4カ国外相会談を行い、昨年2月の停戦合意の完全履行に向けたロードマップを作成することで合意した。(ベルリン=高野弦、駒木明義)