決算を発表する任天堂の君島達己社長=大阪取引所
大ヒットしているスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」が、任天堂(京都市)に利益をもたらしている。
26日発表の2016年9月中間決算では、関連会社でポケモンのブランドを管理するポケモン(東京)などから受け取る営業外利益が、前年同期より105億円多い120億円となった。任天堂はポケモン社に32%出資しており、持ち分に応じて利益を得る。
ポケモンGOのおかげで、ニンテンドー3DSやポケモン関連のソフトも想定より売れた。君島達己社長は会見で「想像以上に受け入れられ大変ありがたい」と述べた。
任天堂は筆頭オーナーだった米大リーグ球団シアトル・マリナーズの所有権を、8月に一部を残して売却した。この利益が627億円に上り、9月中間決算の純利益は前年同期の3倍超の382億円となった。
ただ、任天堂本体の業績は苦しい。据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー) U(ユー)」向けソフトが伸び悩み、円高による影響もあって、9月中間決算の売上高は前年同期比33%減の1368億円。営業損益は前年の89億円の黒字から59億円の赤字に転落した。
17年3月期の予想についても、売上高は5千億円から4700億円に、営業利益は450億円から300億円に引き下げた。
来年3月に発売する新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」や、12月に配信するスマホゲーム「スーパーマリオラン」についての具体的な発表は26日はなかった。(西村宏治)