精神保健指定医の資格を不正に取得するなどして、全国の医師89人が資格の取り消し処分になった問題で、塩崎恭久厚生労働相は28日午前の閣議後会見で、「必要な診断や治療に従事した経験を確実に審査できる手法の導入など、再発防止をやっていかなければならない」と述べた。
精神保健指定医は、重い精神疾患の患者を強制的に入院させる措置入院の判断などができる。資格取得には、自身が関わった8件の症例報告が必要だが、処分となった医師らは診療に十分関わっていない症例を報告していた。
塩崎厚労相はこの日、「精神科医療に対する国民の信頼を揺るがす、極めて遺憾な事態だ」とした上で、「なぜこんなに大量に発生したのかをよく考えた上で、次のステップを考えていきたい」と述べた。
厚労省は26日、自身が診療に十分関わっていない患者を症例として報告するなどして資格を不正取得した医師49人と、報告の内容を十分確認せずに証明を示す署名をした上司の指導医40人の処分を決めている。