「暴走車は来ないから移動しなさい」と歩道の見物人に呼びかける警察官=3日午前0時7分、大阪府岸和田市小松里町、楢崎貴司撮影(見物人の衣服のグループ名にモザイクをかけています)
大阪府岸和田市で毎年11月3日にある集団暴走「イレブンスリー暴走」を阻止するため、大阪府警は2日午後10時過ぎから3日午前5時までの約7時間、同市の国道26号の車道を約2キロ封鎖した。区間周辺で暴走バイク約20台が走ったが、大きな混乱はなかった。
イレブンスリー暴走阻止、異例の国道封鎖 大阪・岸和田
予定の封鎖区間は最長11・8キロ。このうち昨年、やじ馬約1千人が集まった交差点を含む約2キロを、実際に封鎖した。約930人の警察官を動員し、整備不良などで8人に交通反則切符(青切符)を交付した。
府警交通部によると、昨年は全体で暴走車両約50台とやじ馬約2500人が詰めかけた。今年は3日午前1時の時点で、封鎖区間内の四つの交差点にいたやじ馬は計約370人で、中高生の男女7人が深夜徘徊(はいかい)で補導された。交通総務課は「封鎖の成果があった。効果を検証し、来年も継続するか判断したい」と話す。(中島嘉克、楢崎貴司、中川竜児)
◇
「イレブンスリー暴走」を阻止するため、府警が3日午前5時まで約7時間封鎖した岸和田市の国道26号。府警の要請で、沿道の多くの店が早じまいした。
封鎖区間の周辺にある大型娯楽施設は、祝日の前日の2日は24時間営業の日だったが、午後9時に閉店した。30代の男性店長は「多くの来客が見込める日なので営業に響く。でも、お客さんの安全を考えると仕方ない」と話した。
封鎖区間内にある24時間営業のガソリンスタンドは、封鎖直前に閉店した。昨年は店の周囲に散乱した吸い殻やごみの片付けに追われた。男性店長(38)は「被害がなくて一安心。売り上げに響くが、来年以降も封鎖して暴走を完全になくしてほしい」と話した。
地元のあるタクシー会社は封鎖により配車が最大10分程度遅れるなどの影響があったが、客からの苦情はなかった。男性社長は「報道などで封鎖を知っているお客様が多く、ご理解頂けた。このまま暴走行為が消滅して欲しい」と語る。