(左から)連絡が取れない真田柊憂(しゅう)君、結衣音(ゆいね)ちゃん、瑠翔(るいと)君
新潟市北区鳥屋で6日午後11時半ごろ火災があり、無職渡辺富子さん(68)方の木造2階建て住宅約100平方メートルのうち、2階約50平方メートルが焼けた。焼け跡から男性と子ども3人の遺体が見つかり、県警は渡辺さんの孫の夫でこの家に住む会社員の真田幸広さん(27)、真田さんの長男で小学3年の柊憂(しゅう)君(8)、次男の瑠翔(るいと)君(6)、長女の結衣音(ゆいね)ちゃん(4)とみて調べている。
新潟の民家で火災、4人死亡 父と3人の子か
新潟北署によると、住宅は1階がガレージで、2階が住居。真田さんは妻の唯香さん(27)、子ども3人との5人暮らしで、唯香さんも煙を吸うなどして病院に運ばれた。命に別条はないという。渡辺さんは敷地内の別棟に住んでいる。
男性の遺体は2階中央の寝室で、子ども3人の遺体はその隣の子供部屋で、いずれも床に倒れた状態で見つかった。この2部屋の焼け方が特に激しく、署はいずれかが火元とみている。
現場は、JR豊栄駅の北西約1・5キロで、田んぼに囲まれた住宅街の一角。
隣に住む農業の男性(72)は火災に気づいて外に出ると、渡辺さんが「子どもがいるから助けて」と叫び、ホースで消火しているのが見えた。男性は、はしごを持ち出して住宅の2階に上がり、ガラスを蹴破ったが、炎や煙で入れる状況ではなかったという。
瑠翔君と結衣音ちゃんは、男性の農作業場によく遊びに来た。柊憂君は幸広さんと家の前でよくキャッチボールをしていた。男性は「かわいい盛りだった。助けてあげたかった」。
瑠翔君と結衣音ちゃんが通い、柊憂君も以前通っていた保育園の女性園長は「みんな何でも一生懸命に取り組む子だった」。柊憂君が通う小学校の男性教頭は「正義感のある子だと担任から聞いている。掃除がきちんとでき、模範となる子だった」と話した。
知人の女性によると、真田さんが夏にビニールプールを出して子どもたちを遊ばせたり、祭りに連れて行ったりする姿を見かけた。長男の柊憂君はしっかり者で、弟の瑠翔君は柊憂君の言うことをよく聞いた。結衣音ちゃんは母親にくっついてばかりの甘えん坊だったという。女性は「すごくいい親子。あの子たちにもう会えないなんて」と涙を流した。