スパムメール予告の構図
警視庁のパソコンがウイルスに感染した! でも安心してください、実は「潜入捜査」なんです――。
警視庁は7日、スパムメール(迷惑メール)が拡散する前に、メール利用者に注意を促すサービスを始めた。同庁のパソコン1台を拡散させる側に潜入させ、事前察知できる仕組みを整えた。警察では、全国初の取り組みだ。
サイバー犯罪対策課によると、ウイルスが添付されたスパムメールの拡散をもくろむ攻撃者はまず、サーバーに攻撃指令を発信。すでにウイルスに感染した端末を「踏み台」にして、不特定多数の端末に大量のメールを送る。感染するとネットバンキングの不正送金に悪用される恐れがある。
同課はこの仕組みを逆手にとり、管理するパソコンの1台をわざと感染させ、踏み台の中に潜り込ませた。このパソコンで、拡散前にスパムメールの件名や本文を把握し、警視庁のツイッターアカウント、犯罪抑止対策本部(@MPD_yokushi)と広報課(@MPD_koho)で速報する。日本サイバー犯罪対策センターの加盟団体にも注意喚起する。
ただ、監視するサーバーは1台だけなので、事前把握できるのは週に数種類くらいになる見通し。同課は「少しでも感染防止に役立てば」としている。(阿部朋美)