法務省は11日、熊本県内で2人を殺害し、1人に重傷を負わせたなどとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した田尻賢一死刑囚(45)の死刑を執行した。今年3月以来、7カ月半ぶりの執行。2012年12月の自民党政権への交代後では10度目、執行されたのは計17人となった。今年8月に就任した金田勝年法相にとっては初めてで、日本弁護士連合会が10月に「死刑廃止」を宣言して約1カ月での執行となった。
田尻死刑囚は11年に一審・熊本地裁の裁判員裁判で死刑判決を受け、12年に上告を取り下げて刑が確定した。裁判員裁判での死刑判決が確定し、執行されたのは2件目。
法務省によると、今月4日時点で、死刑が執行されていない収容中の確定死刑囚は129人だった。死刑執行について、金田法相は就任後の記者会見で「人の命を絶つ極めて重大な刑罰。慎重な態度で臨む必要がある」と言及。「死刑の判決は、極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に裁判所が慎重な審理を尽くして言い渡す。裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めに従って慎重かつ厳正に対処するべきだ」と述べていた。