屋根の修理が始まる清水寺の本堂=22日午後、京都市東山区、佐藤慈子撮影
「清水の舞台」で知られる京都の世界遺産・清水寺の本堂(国宝)が早ければ来春、屋根修理の足場となる素屋根(すやね)で覆われる。修理中も参拝通路を確保し、舞台に立つことはできるが、右に舞台、左に京の街並みというおなじみの景色は当面見られなくなる。2020年の東京五輪までには修理を終えたいという。
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年間550万人が訪れる清水寺は奈良時代末の創建で、本堂は焼失後の1633年に再建された。08~20年度、国宝や重要文化財の16棟のうち9棟の大修理を進めている。これほどの規模の修理は再建以来で、予算は40億円。国が55%を補助する。子安塔(こやすのとう)や轟(とどろき)門など7棟ではほぼ終わり、本堂と釈迦堂の本格的な修理に入る。
舞台は高さ約12メートル、幅約22メートル、奥行き約9メートル。明治中期の大修理や1950年のジェーン台風で屋根が傷んだ際のほか、64~67年に本堂を修理した。以来50年ぶりとなる今回は、主に屋根の檜皮(ひわだ)のふき替えや壁の塗り替えをする。素屋根は年明けから組み立て始め、徐々に本堂が覆われ、春先にはほとんど見えなくなるという。
寺の森孝忍(こうにん)・法務…