JR旭川駅周辺で大規模な開発計画の動きが活発化している。医療法人元生会(旭川市)は30日、病院やスポーツジム、健康食レストランなどからなる予防医療拠点を建設すると発表した。ドラッグストアやホテルの建設計画も動きだしている。旭川市が進めるJR旭川駅周辺再開発事業に沿った動きで、市中心街への集積が一段と進みそうだ。
予防医療拠点「旭川ウェルネスセンター(仮称)」の建設場所は駅南側の隣接地。敷地面積は1万7500平方メートル。階数は5~6階を想定する。来年着工し、2019年春の開業予定。土地代を含めた総事業費は40億~50億円規模の大型複合施設だ。市の駅周辺再開発事業「北彩都あさひかわ」の中核施設で、市の公募で土地の買い受け予定者として決まった。
元生会は市内で3つの医療施設を運営し、拠点開設に伴いこのうち市内の病院を移転する。「健康をテーマとした生活文化の拠点施設としたい」(森山領理事長)との構想に基づき、スポーツを楽しめるジムやシャワーブース、健康に配慮したメニューを用意するレストランやカフェなどを設ける。日本語のほか英語や中国語、ロシア語などで健康相談できる医療コンシェルジュを常駐する。
森山理事長は「健康・医療・福祉の充実した安全・安心な街づくりに貢献したい」と話す。医療ツーリズムを想定して国内外から観光客を呼び寄せ、移住も促進して街の活性化につなげる。医療法人は営利事業を営めないため、企業と一緒に建設を進める計画だ。
駅北側の再開発地区では地元建設業のエスデー建設(旭川市)が今年、市有地を取得。ドラッグストア大手のツルハホールディングスの店舗やホテル、物販店が入る建設事業費25億~30億円規模の複合商業施設の建設が来年から始まり、17年12月の開業予定だ。
市の再開発地区ではほかに、ホームセンター大手のコメリが敷地面積約2万5千平方メートル、店舗面積約9千平方メートルの大型店「コメリパワー旭川宮前店」を来年着工し、同年中に開業する。
駅南側では、かつて国の官舎や事務所があった約1万1千平方メートルの国有地についても、財務省北海道財務局が11月から12月4日まで一般競争入札を受け付け中。来年1月に開札する。