日歯連からの寄付の流れ
政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)による迂回(うかい)寄付事件で、政治資金規正法違反の罪に問われた元副理事長で会計担当だった村田憙信(よしのぶ)被告(72)の初公判が7日、東京地裁であった。村田被告は「収支報告書は政治資金の流れにそって忠実に記載しており、虚偽記入などしていない」などと起訴内容を否認した。
事件をめぐっては、村田被告のほか、法人としての日歯連と、いずれも元会長の高木幹正(71)、堤直文(74)の両被告が起訴されている。
起訴状によると、村田被告は2013年の参院選前、日歯連が支援を決めていた石井みどり参院議員(自民)の後援会に対し、同法で定められた上限の5千万円を超える計9500万円を寄付。うち5千万円について、日歯連が支援していた西村正美元参院議員の後援会を経由したかのように政治資金収支報告書に虚偽内容を記載したとされる。
また、西村氏が当選した10年の参院選前にも、後援会に5千万円を寄付したのに、西村氏が代表だった民主党(当時)支部を経由したように偽った記載をしたとされる。
日歯連は、全国の歯科医で組織する日本歯科医師会を母体とする政治団体。04年には、自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件が発覚。元会長らが政治資金規正法違反罪などで起訴され、有罪判決が確定した。これを受けて05年に同法が改正され、政治団体間の年間の寄付の上限が5千万円と定められた経緯がある。