準決勝開始直前になっても完成しなかったWBCの看板とカルロスさんとパトリシアさん(右)=20日午後5時30分、ロサンゼルス、佐々木洋輔撮影
野球の世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。舞台は準決勝、決勝がある米ロサンゼルスのドジャースタジアムに移りました。日本代表・侍ジャパン(侍J)も到着。米国戦を翌日に控え、スタジアムで練習を公開しました。
2017WBC特集
前日練習で驚いたのは、日本のメディアや関係者の多さです。ざっと100人以上はいるでしょうか。打撃練習を見守る小久保監督のそばには、09年大会の指揮をとった原辰徳さん、同じく13年大会の山本浩二さん、ヤクルトで選手兼任監督をした古田敦也さん、プロ野球史上15人目の完全試合を達成した槙原寛己さんなどなど、名選手たちがずらり。
グラウンド横にも、06年大会で正捕手だった里崎智也さん、広島で天才バッターとうたわれた前田智徳さん、競泳の五輪メダリスト寺川綾さん、元SMAPの中居正広さん……。有名人が代わる代わるに選手やコーチを捕まえてインタビューしていました。
一方の米国側の練習は、メディアは40~50人といったところ。米選手は外野の芝生でフライングディスクをしながら走り込んでいる様子が印象的でした。
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正午すぎ、球場を出ると、男女2人が言い争っているような声が聞こえました。話を聞くと、球場入り口の看板にWBCのトロフィーを描いているとのこと。取りかかり始めたところで、どうやら手順について2人であれこれ話し合っていたようです。
「大丈夫さ。お客さんが来るまでには仕上げるよ」と男性のカルロスさん。一方、女性のパトリシアさんは「どこが優勝するかって? ごめんなさい。わたし見ていないからチームのこと知らないの」。ペンキ塗りに忙しそうです。
しばらくして再び看板がある場所を訪れると、きれいに看板が……、全然できていない。2人は仲良くホットドッグを食べています。「スケッチは終わった。後は色を塗るだけ。できたも同然さ」とカルロスさん。パトリシアさんも「今日中には終わるわ」と陽気に話してくれました。(ロサンゼルス=佐々木洋輔)