屋内完全禁煙を求めて27学会でつくる禁煙推進学術ネットワークの藤原久義理事長(中央)らが会見を開いた=7日、東京・霞が関の厚生労働省
日本内科学会など27学会でつくる禁煙推進学術ネットワークや日本医師会などの計5団体は7日、2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、公共空間での屋内完全禁煙を定める受動喫煙防止法・条例の制定を国や東京都などに求める要望書を発表した。
厚生労働省が10月に示した受動喫煙対策案は、飲食店や事務所(職場)などは建物内を原則禁煙としつつ、喫煙室の設置を認めている。
要望書は、日本での受動喫煙による死者は推定で年間1万5千人に上ると指摘。喫煙室を設置しても完全に受動喫煙は防止できない上に、喫煙室で従業員が受動喫煙にさらされるため、現在の国の案では対策が不十分として、屋内の完全禁煙を求めている。
禁煙推進学術ネットワーク理事長の藤原久義・兵庫県立尼崎総合医療センター院長は「喫煙室のPM2・5濃度は非常に高く、喫煙者にも劣悪な環境だ。海外では49カ国が飲食店などで屋内全面禁煙とする法律を施行しており、国際的な標準に合わせてほしい」と話した。(黒田壮吉)