ウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチ・ライブラリーのマネージング・ディレクター、メアリー・ウォルシュさん=8日午後、東京都港区
ディズニーアニメの原画など貴重な資料約450点を集めた「ディズニー・アート展 《いのちを吹き込む魔法》」が、来年4月8日~9月24日に日本科学未来館(東京都江東区)で開催される。2018年9月まで約1年半をかけて、大阪・新潟・仙台へも巡回する。
ミッキーマウスが初めて登場した短編「蒸気船ウィリー」(1928年)から、CGによる長編最新作「モアナと伝説の海」(来年3月日本公開)まで、約90年の歴史を振り返る。
世界初の長編カラーアニメ映画「白雪姫」や「ファンタジア」の原画、動物たちが愛らしい「バンビ」のスケッチ、雄大な風景を描いた「眠れる森の美女」の背景画などが展示されている。ポップな色彩が独特の「ふしぎの国のアリス」のコンセプト・アートは、ウォルト・ディズニーに重用されたカラー・スタイリストのメアリー・ブレアが、制作初期にイメージを固めるため描いたものだ。
時代がCGアニメに移った後も、「アナと雪の女王」や「ズートピア」のコンセプト・アートからは、手描きの絵が今も作品づくりの出発点であることがわかる。
これらを所蔵するのはウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチ・ライブラリー。過去の作品の膨大な素材を管理し、新作の参考資料やスタッフの教育に使っているという。
本展覧会の企画・制作を担う同ライブラリーのマネージング・ディレクター、メアリー・ウォルシュさんは8日、東京・汐留で会見し、「ディズニーは家族で楽しむエンターテインメントを提供している。展覧会には、小さな子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで見に来てほしい。ディズニー作品が、素晴らしいアーティストたちのコラボレーションでできていることがわかると思う」と語った。
また、ウォルシュさんは朝日新聞のインタビューに、「CGアニメも、始まりはアーティストの手が描き出す絵。そこから物語もキャラクターも生まれる」と語った。
「原画やコンセプト・アートからは、優れた匠(たくみ)の技と芸術性を感じることができると思う。加えて今回の展示は、常に技術革新を続けてきたスタジオの歩みを知ることができるようになっている。楽しみにしてほしい」(小原篤)