トルコのイスタンブールで10日、爆発現場に到着した警察=ロイター
トルコの最大都市イスタンブール中心部で10日夜、2度続けて大きな爆発があった。ソイル内相は11日、少なくとも38人が死亡、155人が負傷したと発表した。死者のうち30人は警察官。エルドアン大統領は、爆発は治安部隊と市民を狙った「テロ攻撃」と非難する声明を発表。治安当局はこの爆発に関与した疑いで13人を拘束した。
連続爆発があったのはトルコのプロサッカーチーム、ベシクタシュが本拠とするサッカー場周辺。この日はプロサッカーの試合があったが、爆発は試合終了から約2時間後に起きた。
トルコメディアによると、1度目はサッカー場前で自動車爆弾が爆発し、約45秒後に近くの公園で2度目の爆発があったという。2度目は自爆犯の爆発という。現場近くの住民によると、爆発後、複数回にわたって銃声も聞こえた。
イスタンブールの総領事館によると、日本人が事件に巻き込まれたという情報は入っていないという。
爆発をめぐり犯行声明は出ていないが、トルコでは2015年夏から過激派組織「イスラム国」(IS)の関係者や少数民族クルド人の非合法武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)によるテロが相次ぐ。イスタンブールでは今年6月、空の玄関口アタチュルク国際空港でIS関係者による銃撃・自爆テロがあり、47人が死亡、200人以上が負傷した。(イスタンブール=春日芳晃)
■仏大統領「力を込めて非難する」
フランスのオランド大統領は11日未明、「多くの犠牲者を出したイスタンブールでのテロを、力を込めて非難する。新たな試練に見舞われたトルコに対し、フランスはあらゆる支援をしていく」とする声明を出した。大統領府(エリゼ宮)を通じて発表した。(パリ=青田秀樹)