愛媛県今治市の産婦人科診療所で、出産後に大量出血で女性が死亡するなどの事例が相次いでいた問題で、この診療所で子宮筋腫の手術を受けた女性が大量出血する事案が2件起きていたことが13日、分かった。診療所の男性医師(56)が明らかにした。
愛媛の産婦人科、重大事案で改善指導 日産婦
医師によると2008年、通院していた60代(当時)の女性が、子宮筋腫の手術後に大量出血して死亡した。遺族とは示談が成立したという。医師は「輸血のストックがなかったため、輸血が間に合わなかった。全力を尽くし、過失はなかったと考えている」と話している。05年には70代女性が大量出血して、県内の総合病院に搬送された。医師は「筋腫をはがす手術に時間がかかり、出血が多くなった」と話した。
この診療所には11日、日本産婦人科医会が現地調査に入り、09年以降で女性2人が出産後に死亡するなど、重大な問題の可能性がある出産を4例確認した。しかし、子宮筋腫の事案はどちらもカルテが残っておらず、調査の対象にはならなかったという。