熊本地震の被害にあったミツバチの巣箱。地割れも見られる=4月、熊本県益城町、西岡養蜂園提供
日本有数のイチゴ産地、熊本。今年は熊本地震や豪雨、台風で花粉交配用のミツバチが被災し、イチゴ生産は危機に陥ったが、全国の養蜂家から支援のミツバチが届いて救われた。1年で最も需要が増えるクリスマスシーズンを前に、収穫が最盛期を迎えている。
特集:熊本地震
熊本県八代市のイチゴ農家、坂本真一郎さん(46)は8棟のハウスで朝6時ごろから夜8時ごろまで収穫に忙しい。県が開発した新品種「ゆうべに」の栽培を昨年から受託し、大粒の実を摘んで集める。時々、外の巣箱からハウスに開けた穴を通して、ミツバチが花粉を採りに飛んでくる。
「今年はミツバチ不足が深刻だった。全国から融通してもらって落ち着くことができた」と、坂本さんはホッとした顔を見せた。
イチゴ農家は養蜂業者からミツバチの入った巣箱(1箱に1万匹以上)を借り、ハウス内にミツバチを放して自然交配させる。11月から3月ごろまでがピークだ。県内のイチゴ生産量は2014年で全国3位。ケーキなどに使われるクリスマスの時期が年間需要の2割を占めるという。
だが今年は、地域のイチゴ農家…