コクチョウの高病原性鳥インフルエンザ感染確定を発表した会見で、記者の質問に答える東山動物園の黒辺雅実園長(中央)=12日午後5時40分、名古屋市千種区、相場郁朗撮影
東山動植物園(名古屋市千種区)は12日、飼育していたコクチョウ3羽の高病原性鳥インフルエンザ感染が確認されたと発表した。3羽は先月末以降、相次いで死に、感染の疑いがあるとして国が検査していた。11日から動物園エリアを中心に休園しており、年内の営業再開が絶望的になった。
来園者数2位なのに…痛い休園 東山動植物園、続く消毒
11月29日~今月6日、池で飼っていたコクチョウ5羽のうち3羽が死んだ。簡易検査で鳥インフルエンザの陽性反応が出たのは6日に死んだ1羽だけで残り2羽は陰性だったが、国の確定検査で3羽すべての感染が確認された。ウイルスは「H5N6亜型」。今年、新潟県や青森県で確認されたものと同じ型という。
園内の別の池にいたシジュウカラガンも死んだため、11日から動物園全域と植物園の一部を休園にして、消毒を進めている。感染の確定で、国の伝染病予防の指針に基づき、少なくとも防疫措置の完了後21日間は休園となる。園は「再開は早くて来年1月初旬」と説明している。
ほかに、死んだシジュウカラガンなど12羽も確定検査を受けており、数日で結果が出る見込み。黒辺雅実・動物園長は「できれば避けたいが、すべての結果を待ち、必要ならほかの鳥の殺処分も検討する」と話した。
愛知県は、すでに園の10キロ圏内で野鳥の監視を強化しており、今後、10キロ圏外でも監視を強める。ニワトリなどを飼う一定規模以上の県内285農場に改めて注意を呼びかける。