現場近くの海岸では、警察の機動隊員らが警備にあたっていた=14日午前10時42分、沖縄県名護市安部、長沢幹城撮影
基地問題に揺れる沖縄で13日夜、政府が安全と言い続けてきた米軍の輸送機オスプレイが海に落ちた。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画が進む同県名護市辺野古の目と鼻の先。懸念を訴えてきた地元からは怒りの声が噴出。配備予定の本土各地からも不安の声が相次いだ。
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「危険性の高いものが上空でやりたい放題の訓練をしているわけで、落ちるべくして落ちたという印象だ」。普天間飛行場の騒音被害を訴える普天間爆音訴訟の原告団長、島田善次さん(76)は憤った。訴訟は11月、一審判決で騒音差し止めが棄却された。「沖縄では憲法よりも安保条約や地位協定が上だという状況が続いている」
普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対している辺野古の住民、西川征夫さん(72)は「あきれを通り越して、怒りだ。事故は海上だったが、集落にも近い。飛んでくれるなと米軍に対して何度も訴えてきたが、これが現実だ」と憤った。「ヘリ基地反対協議会」共同代表の安次富浩さん(70)は「オスプレイは(訓練などで)ヤマト(本土)の各地の山間部を飛んでおり、佐賀空港も使われるかもしれない。ひとごとと考えないでほしい」と語った。
本島北部の同県東村高江。オスプレイも発着するヘリパッド建設現場への入り口には、14日午前9時までに約200人が集まり、建設反対を訴えた。同県うるま市の島袋清正さん(73)は「オスプレイは欠陥品であることが証明された。ヘリパッドの建設を許してはならない」と話した。