バレーボールのプレミアリーグは19日、東京体育館で2戦方式の男子決勝(ファイナル)第2戦があり、東レ(プレーオフ1位)が豊田合成(同2位)を3―1で下し、8季ぶり3度目の優勝を果たした。第1戦のストレート勝ちに続く2連勝で、昨年12月の全日本選手権との2冠となった。
■サーブ磨き最強証明
東レは鍛えてきたサーブが勝負どころで威力を見せた。
第4セットの17―19から、鈴木の強いジャンピングサーブで相手の返球を乱した。米山、ジョルジェフ、李が連続で決め、20―19と逆転。このセットで初めてリードを奪った。その後一度は追いつかれたが、突き放して8季ぶりの頂点をつかんだ。
ラリーポイント制の現代バレーでは、サーブで相手の守備隊形を崩して攻撃につなげることが勝利のカギになる。小林監督も2012年の就任以来、選手に強く打たせたりコースを狙わせたり試行錯誤したが、優勝からは遠ざかった。
そこで就任5年目の今季、動作解析の専門家を招いた。選手一人ひとりの特徴をつかみ、その選手に合ったサーブを打つよう指導した。
結果はすぐに出た。富松は米国選手のフォームと比べ高い打点から強く打つ、米山は体の軸を打球方向からぶれさせないなど、どの選手も効果的なサーブを打てるチームに変身。シーズン、プレーオフともに、全チームで1番のサーブ効果率を記録した。
決勝は2試合で1セットしか失わなかった。最年長32歳の米山は「強いチームが勝つと証明できた」と誇らしげに語った。(能田英二)
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●クリスティアンソン監督(豊) 「東レの方が我々より優れていた。レシーブがきれいに返り、センターの攻撃力もあった」
○小林監督(東) 2季前に部員の窃盗事件が発覚。その後の低迷を経て復活した。「優勝した瞬間、不祥事が脳裏をよぎった。あのことがあり、チームをフルモデルチェンジしようと生まれ変われた」