月面に見立てた砂丘で走行試験をする探査車。ispaceが運営するプロジェクト「HAKUTO」では、月面を走らせる探査車を開発している=HAKUTO提供
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は16日、宇宙開発の国内ベンチャー「ispace(アイスペース)」(東京都港区)と、月にある水や鉱物などの資源採掘や輸送について共同研究を進める協定を結んだ。将来的には月面基地の建設にもつながる可能性がある。
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JAXAは月面着陸機を開発中で、2019年度の打ち上げを目指している。一方、アイスペースは、月からの資源輸送を30年ごろまでに実現する構想を掲げ、月面を走る超小型ロボットの技術検証を重ねている。
水からできる酸素や水素は宇宙での燃料になると言われ、同社は、月面で宇宙船などに燃料補給する事業を計画している。地上から輸送するよりも低コストで燃料補給できる可能性があるという。両者による共同研究で、輸送などに必要な技術をより具体化させる狙いがある。
同社の袴田武史代表取締役は「宇宙資源開発は世界中が注目している。今のうちに事業化などに取り組むことが重要」と話す。月面基地をめぐっては、ロシアや中国、欧州などが建設を計画しているとされる。