米国から「ラッシュ」と呼ばれる危険ドラッグを輸入したとして、医薬品医療機器法違反(指定薬物の輸入)と関税法違反(禁止物の輸入未遂)の罪に問われた元北国新聞社取締役の嵯峨元(はじめ)被告(61)=金沢市石引4丁目=の初公判が20日、金沢地裁(田中聖浩裁判官)であり、嵯峨被告は起訴内容を認めた。検察側は懲役2年を求刑し、即日結審した。判決は来年1月13日に言い渡される。
検察側の冒頭陳述によると、嵯峨被告は約15年前、仕事のストレスを解消するために使用を始めた。国内でラッシュが規制された後は知人や米国の会社から購入。昨年11月にも米国の会社のホームページを通じて購入し一部を使用した、とした。検察側はラッシュの違法性を認識しながら使用を続けていたと指摘。弁護側は「全ての役職を辞任し、社会的制裁を受けている」と、執行猶予付きの判決を求めた。
被告人質問で「指定薬物は社会問題化し、連日のように報道されていた。報道機関幹部として携わる中で使用したのはどういうことか」という田中裁判官の問いに、嵯峨被告は「認識が甘かったと思います」と答えた。そして「心から反省している。心を入れ替えて新しい人生を歩んでいきたい」と述べた。(田中ゑれ奈)