東大寺東塔(奈良時代)のイメージイラスト=イラストレーターの北野陽子さん作、東大寺東塔建築についての検討会提供
奈良時代の創建当初、七重塔として威容を誇ったとされる東大寺の東塔(とうとう)を再現したイメージ図を専門家による検討会がつくり、発表した。発掘調査の成果と文献史料の記録などに基づき、約100メートルの「超高層建築」の姿を想定している。
東塔は760年代ごろ、大仏殿南東に建てられ、平安時代末に平氏の焼き打ちに遭って焼失。鎌倉時代に再建されたが、1362年に落雷で再び焼け落ちた。高さは約70メートルと約100メートルという記録があるが、確定はしていない。
寺は失われた東塔の復元も視野に入れ、昨年から奈良文化財研究所、奈良県立橿原考古学研究所と共同で塔跡の発掘調査を進めている。検討会座長の鈴木嘉吉・元奈良国立文化財研究所長(建築史)は「イラストは研究の第一歩。これから、さらに検討を深めたい」と話す。(栗田優美)