日米関係の主な出来事
安倍晋三首相とオバマ米大統領は27日(日本時間28日)、米ハワイの真珠湾で演説し、4年間の日米関係を互いに評価し合った。首相は、演説で強調した和解や寛容の意義を今後の外交の柱の一つに据える見通しだ。一方、両首脳で確認した「同盟深化」は、来年1月からの米トランプ次期政権下でも続くかどうかが焦点となる。
「私たちを結びつけたものは、寛容の心がもたらした和解の力だ」。首相は真珠湾を背にした演台で、日米同盟の結束をそう表現した。「寛容の心、和解の力を、世界はいまこそ必要としている」とも訴えた。
首相はこの日の演説で真珠湾攻撃の犠牲者に哀悼の意を表しつつ、謝罪には踏み込まなかった。戦後70年の節目だった昨年4月、米議会上下両院合同会議の演説での「痛切な反省」や、同8月に発表した安倍談話に盛り込んだ「侵略」「心からのおわび」といった言葉を使うのも避けた。
日本外務省の幹部は、真珠湾演説の内容は米議会演説や安倍談話の延長線上にあると指摘。「『侵略』『謝罪』という言葉はなかったが、非常に強い不戦の誓いを述べた」と訴える。歴史認識には直接触れず、未来を見据えて平和の大切さを強調したとの見方だ。
また、日本政府関係者によると首相演説の概要は事前に米政府にも伝えていたといい、ある首相官邸幹部は「オバマ政権との関係づくりを重ねてきた成果を続けていこうというメッセージになった」と自賛した。
さらに、この日の演説で強調し…