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9月27日に中華日本学会2020年年次総会ならびに学術シンポジウム「平成から令和へ:日本の発展の歩みと未来の展望」が北京で開催された。(写真は中国社会科学院日本研究所提供) |
中国の程永華前駐日大使は27日の学術シンポジウムで、「中日双方は日本の新政権発足を契機に、一段と妨害を排除し、揺るぎなさを保ち、両国関係が正しい軌道に沿って安定的に遠くまで前進する後押しを共にすべきだ」と語り、▽積極的に先導し、政治的相互信頼を積み重ねる▽各分野の実務協力を踏み込んで実施する▽人的・文化的交流に力を入れ続ける▽地域と国際社会への責任感をはっきりと示すことを提言した。中国新聞網が伝えた。
9月27日に、中華日本学会2020年年次総会ならびに学術シンポジウム「平成から令和へ:日本の発展の歩みと未来の展望」が北京で開催された。程氏は開会式で基調講演「安倍から『ポスト安倍』へ:中日関係の回顧と展望」を行い、外交の第一線で自らが経験した「波瀾と起伏、紆余曲折、より高い目標に向けた困難克服、正常な軌道への回帰」という中日関係の重要な段階を振り返った。
程氏は安倍前政権及び菅義偉現政権への評価と展望を示した。程氏は、「菅内閣は対中政策において全般的に安倍政権の基調を踏襲するとみられる。その一方で、『ポスト安倍時代』の日本の対中政策には依然として一定の二面性と揺れ動きがあるだろう」との見方を示した。
また程氏は、「我々は『ポスト安倍時代』の中日関係を積極的に計画し、先導するべきだ。中日は転居不能な隣国であり、中日関係の重要性が一時、一事によって変わることはない。長期安定的で友好協力的な中日関係の発展は両国及び両国民の根本的利益にかなう。中日双方は日本の新政権発足を契機に、一段と妨害を排除し、揺るぎなさを保ち、両国関係が正しい軌道に沿って安定的に遠くまで前進する後押しを共にすべきだ」と述べた。
基調報告では、胡令遠・復旦大学日本研究センター長が「平成の振り返りと日本研究の論理的出発点」、韓東育・東北師範大学副学長が「2つの『日本学』の問題に関して」、黄大慧・中国人民大学国際関係学院副院長が「東アジアに立脚し中日関係を取り扱う:回顧と展望」と題して学術講演を行った。
分科会では、学者等が「政治・外交・安全保障(1)」、「政治・外交・安全保障(2)」、「経済・社会」、「歴史・文化」の4つの分科会で踏み込んだ意見交換や議論を行い、代表を通じて成果を報告した。
中国社会科学院日本研究所所長、中華日本学会常務副会長を務める楊伯江氏は会議の総括で、「中日関係の研究は二国間関係の研究ではあるが、理論的革新の潜在力を備え、伝統と革新、歴史と現実、共通利益とゼロサムゲームなど重層的関係を立体的に反映している」と指摘した。
さらに、「両国関係は流れに逆らって船を進めるようなもので、進まなければ押し戻されてしまう。我々は政策及び戦略において、両国関係が漂流状態に陥るがままにさせるわけにはいかない。伝統的大国と新興勢力との摩擦の処理において、日本は経済や地域協力による対処に重きを置いており、欧米の打ち出している文化衝突論や攻撃的現実主義とは異なり、我々の参考に値する。我々は日本研究を対外関係の全体に据えて研究し、デザインし、考えるべきだ」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年9月29日