今年の初詣を前に、東京都内の寺がベビーカーの利用自粛を呼びかける看板を掲げた。すると、ツイッターで「差別では」「安全のため」と論争が巻き起こった。戸惑う寺に取材すると、意外な理由があった。
「ベビーカーご利用自粛のお願い 年末年始は境内混雑のためご入門をお断りする場合がございます」
昨年末、こんな看板を掲げたのは東京都板橋区の乗蓮(じょうれん)寺。三が日は例年約4万人の参拝客でにぎわう。
その写真が元日に投稿されると、ツイッターなどで論争が起きた。「混雑が問題なら、周囲に配慮をお願いしますというべきなのでは」「子連れに対する社会の不寛容さを感じる」といった批判の一方、「安全のためには仕方ない」「赤ちゃんの安全も考えて」と擁護する声もあった。
実は2年前まで、この寺では、ベビーカーの参拝客を優先してスロープのある南門から通していた。正門から境内まで57段の階段があるためだ。しかし、大きな子どもを乗せたり、1台に何人もの大人が同行したりするマナー違反が続出するようになり、トラブルも起きた。やむなく自粛を呼びかけたという。車いすの人らは引き続きスロープのある南門から入ることができ、正門の階段下にはベビーカー置き場を設けた。
近所の女性(27)は昨年の元…