フランシスコ法王(右)と会談したアッバス議長(左)=AFP時事
パレスチナ自治政府のアッバス議長は14日、バチカンでローマ・カトリック教会のフランシスコ法王と約20分間会談した。世界各地のテロ・過激主義と闘う重要性や、イスラエルとの和平プロセスなどについて話し合った。パレスチナ通信が伝えた。
会談後、在バチカンのパレスチナ大使館の開設式典に出席したアッバス氏は記者団に、米国のトランプ次期政権下で懸念されている米大使館のテルアビブからエルサレムへの移転について、「和平プロセスの妨げになる」と改めて反対を表明した。法王にも同様の意見を伝えた模様だ。
トランプ氏は選挙戦で、エルサレムをイスラエルの首都と認め、米大使館を移すと述べた。イスラエルは占領地の東エルサレムを含めたエルサレム全域を「不可分の首都」とするが、米国を含む国際社会は認めていない。米国を含む各国大使館はテルアビブにある。米国はエルサレムに領事館を置いている。
だがトランプ氏は先月、親イスラエルの弁護士デービッド・フリードマン氏を次期政権の駐イスラエル大使に指名。同氏は米大使館の移転をほのめかしており、パレスチナ側は和平プロセスが崩壊しかねないとして警戒を強めている。(ローマ=山尾有紀恵)