労使協定で定めた上限を超えた違法な長時間労働を入社1年目の男性(31)にさせたとして、労働基準法違反の疑いで書類送検された三菱電機(本社・東京)と労務管理担当の社員1人について、横浜地検は27日、いずれも不起訴処分(嫌疑不十分)とし、発表した。
厚生労働省神奈川労働局が11日、書類送検していた。送検容疑は同社が2014年1月16日から2月15日までの間、神奈川県鎌倉市の情報技術総合研究所で働いていた研究職の男性に対し、労使で定めた月60時間の残業時間の上限を18時間超える計78時間の残業をさせたというもの。
捜査関係者によると、約1カ月後に時効が迫る中、横浜地検は神奈川労働局とともに補充の捜査を急いだが、容疑を裏付けるだけの証拠がそろわなかったとみられる。
男性は精神疾患で同年6月から休業し、去年6月に解雇された。神奈川労働局は昨年11月、長時間労働が精神疾患の原因になったとして労災認定していた。(古田寛也)