トランプ米大統領は28日(日本時間29日未明)、ロシアのプーチン大統領と、就任後初めて電話協議をした。ロシア側の発表によると、シリアで「イスラム国」(IS)などのテロ組織打倒に向けた協力を進めることで合意した。
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ホワイトハウスは、プーチン氏からの電話を「祝福の電話」と表現。会談は約1時間にわたり、対ISでの協力やシリアを含むより平和な世界に向けて協働していくとした。また、今回の好意的な電話が関係改善に向けた重要な一歩だとした。両大統領は、今回の電話以降、速やかにテロ対策やほかの重要な共通課題に取り組むことを期待したという。
一方、ロシア大統領府によると、両大統領は電話協議の中で、テロとの戦いのほか、中東情勢、核戦力の均衡、核不拡散、イラン情勢、朝鮮半島情勢、ウクライナ危機などについて意見を交換し、すべての分野についてパートナーとしての協力関係を進めることで一致した。
また、両国関係を発展させるために、貿易経済関係を進めることが重要だという認識でも一致した。
トランプ氏はプーチン氏に対して、ロシア国民の幸福と繁栄を願っており、米国民がロシアとロシア国民に親近感を抱いていることを伝えて欲しいと述べたという。
これに対してプーチン氏は、ロシアも同じような感情を米国に抱いているという認識を示した。
両首脳は、直接会談するため、適当な時期と場所を調整すること、また今後も定期的に協議を重ねることでも合意した。(モスクワ=駒木明義、ワシントン=杉山正)